パリ近郊をすっぽり 覆った霧は 昼を過ぎても消えません。
パリ セーヌ河畔で 霧の流れるのは 一度も見たことがなかった そんな気がしますが・・・ 夕刻が迫ろうとするのに 未だ立ち込めています。 何としたことだろうか? 帰るな!と 引き止められているのか?
切符をキャンセルして 一度 パリに帰ろうかな と思う そんな不安な時を数時間過ごし 夕暮れの早い こちらは 闇も迫ってきています。
そんなときやっと アナウンスが ギリシャへ向かわれる皆さん ただいま 登場を開始しますので 搭乗口に おいでくださと!!
8時間遅れのフライト開始です。 本来なら 午後早めに ギリシャに付き アテネの町で ホテルを探して と 計画ですが これでは 夜の10時ごろの到着になるのでは・・・ 飛行場に ホテルはあるだろうか? もしかして 飛行場の待合室の ソファで寝る羽目になるのか と あれこれ スペイン旅行のことなども思われ 不安が募ります。
機内の 何処にも スタッフや乗客にも日本人の姿は見当たりません。
簡単ながら 食事が出ます。 あー 晩御飯には有り付けました
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夕どらー62
折角見つかった アルバイトですが 先に書きました。 美術学校のY教授の面接のとき 通訳をしてくれた 友人に その仕事を譲り 今日は パリを立つ日です
早朝 アンバリッドから オルリー空港行きのリムジンバスに乗ります。 パリの友人が二人 飛行場まで送ってくれます。 無事通関を済ませ お別れです。
出発ゲートをくぐり そのあたりで アナウンスが入ります。 飛行場が 濃霧のため 暫く出発を見合わせます。と言っています。 なかなか機内への 誘導はありません。 次のアナウンスでは シャルルドゴールからの 変更になるやもしれません。
もう 荷物は 通関を終えています。 アナウンスは日本語がありません。 聞き漏らしたりしたら 大変なことになります。 どこかに 日本人の乗客はいないものかと 待合室を探しますが 見つかりません。 僕は 送られてきた オープンチケットで パリからギリシャのアテネ そして絵自部とのカイロ インド と歴史をさかのぼるように 寄港しながら 帰路のコースを組んでいます。 ですから 一気に日本に向かう飛行機ではないので あまり 大きくないひこうきであるので 日本人は居内のですかね!?
夕ドラー61
父親に手紙を書きます。 展覧会に頑張って出品していること もう少し 此方に居たい気持ちなど 伝えます。 に 置いて 生活費が残り少ないので 送金をしてもらえないだろうか・・・
そんな 都合のいい話がと売るわけはありません!そのころ 父は入院しており 帰ってきてほしい 家族とともに暮らしてほしい!と書かれています。 その裏にある 母親の 重篤な病があることは その時は 煎ってはいませんでしたが・・・
無理を言ってみた 南回りの オープンチケットが 大阪の姉の手配で 送られてきます。 これでは 帰らざるえないです。
夕ドラー60
緊張しながら 入った グランパレは 初冬の薄寒い パリの光よりも ずいぶんと明るい光が ガラス天井が 集めて 館内を照らしています。 その光が満ちている 美術間の真ん中の 来客を 迎えるべく立ち並んだような その正面の 一段と明るい その面に 僕の作品も在ります。 わあ 興奮の声を上げてしまいそうになります。 館内を 見て回っていても 其処が気になり 何度も眼がそちらに 行ってしまいます。 ぐるぐる ひつっこく館内を巡ったはずですが・・・ 他のさくひんは 心に入ってきません。 今も 思いだそうにも 何にも 思いだせません。
パリの街路樹の葉も落ちてしまい クリスマスのイルミネーションがともり始め 展覧会の会期が終わり さくひんが帰ってきます。 その作品も 直ぐ日本に 送ります。 一区切りがついて 片付いた部屋にいると 無性に もう少し 後3ねん 5年 いや 一念でも 此方で居たい もっと 世界も見てみたい そんな気持ちが強くなっていきます。 そんな時 デザインのアルバイトの話が もちあがり・・・。
夕ドラー59
あれあれですね! 麻ドラの主人公が 小学校も中退であるのみも関わらず 東京大学にて 研究を 奨める事かできたことから 受験もしないで フランス国立美術学校にて アトリエを 自由に使わせてもらった 自分の事を重ねて 思い出を書いてきました。 すっかり 夏のバカンス休校の間の
スペイン旅行で 道草を食ってしまいました。
では ここで話を 戻しまして 出品した 全国フランス国立美術学校店が 開催される日となります。 前回の る サロンの時のように 僕の作品だけが 会場のソファーの上に 放置されていないか ドキドキです。
学校に行く前に 会場の グランパレに向かいます。 古典様式の パリ一番の展示場の巨大な柱を連ねた エントランスが バリケードのような 拒絶間でせまってきます。
夕どらー58
夜行に乗って 南フランスから パリに帰りつきます。 まだ 8月半ばだというのに どことなく 秋を感じさせます。 此方の学校は まだ 一か月ほども先の 9月半ばから新学期です。
新しい芸術の刺激を求め 近代美術館とか 画廊回り 本屋などうろうろして過ごします。
そうそう 郊外にある ロダンのアトリエをそのまま びじつかんになっている所を訪ねます。 あの 大作を生み出した所にしては 思いのほか 小さな 田舎やでしたが 製作途中や 年度のままの さくひんもあり ブロンズの完成したさくひんしか見ていなかったので 力強いこて使いが伝わってきて ぐらっと めまいがしました。
そういうところは 無理してでも フランスに来たことが 良かったんだ と独りで悦に入ります。
夕ドラー57
折角ですから 南フランスのあたりを 少し見ながら パリに帰ることにします。 有名な ゴッホが 明るい太陽をもとめて 一時 暮らした アルルに行きます。 アルルで 鮮やかな黄色の向日葵の 傑作が描かれました。 しかし残念にも 向日葵畑は目にすることはできません。 かわりに もう一つの特徴的な 糸杉は もこもこと 明るい南の太陽は感じさせず あちらこちらに あつかましく 茂っています。 それは 止んでいくゴッホの精神のようでもあり ちょっと暗くなりました。
もう少し 西寄りの プロバンス地方の セザンヌの故郷も 立ち寄りたかったが 油絵を始めたころの 感銘した えエコール ド パリ の画家が 少々 おもくなり もう いっぽ先に進んだあーとに 歓心が強くなり アメリカに行きたいな と 心の底で 沸きあがるものを感じるようになりました。
夕ドラー56
マルセーユです。 幼いころから 失明すると診断された視力です。 その反動からか 物を見て 捉えることに執着が生まれ 絵を描くことに興味を持ち 毎日 会がすることが遊びとなります。
中学では 美術の時間に 講義もあります。 教科書には ギリシャ文明から ルネッサンス そして近代絵画の様々なさくひんまで 色鮮やかに紹介されています。
油絵にあこがれ 買ってもらった 日本の 近代作家の生い立ちや 活躍を知ることとなります。 明治以降では 画家の目はパリ画壇の憧れで 沢山の 渡航が記録されています。 そのころは 日本郵船で インド洋を経て 一か月もかけての 旅です。
僕も 視力のある間に ヨーロッパの全ての美術を見てみたいと 高校時代から ひそかな夢と 望みでした。 当然 両親は そんな事例の無い かいがい旅行は 視力のことも重なって 猛反対でした。 それから 現実に ヨーロッパに目指すときになり日本郵船に問い合わせますと 一昨年から 優先の其のコースは 廃止となっております との返事をもらいます。 いま マルセーユの港に立っております。 もう少し 3年も早かったら 此処から 僕のヨーロッパ旅行は 始まったのか!と ひなびた港で 考え深く 暫く 鴎の飛び交う様子を眺めて 過ごします。
夕ドラー55
シネマスコープの雷ショーを楽しんでいる場合ではありません 深けていく スペインの 荒野の真ん中で とうとう 列車は止まってしまいます。 乗客の皆さんは ぞろぞろと降りていきます。 えっ またですか? 駅舎の土間の お泊りになるのですか・ 外を見ても ホテルの灯りなどもありそうでも 有りません。 あー うー と考えあぐね 独り意を決して 列車にとどまることにします。 車掌も駅員も 誰も 声をかけに来ませんし・・・
こ一時間もすると雷鳴も落着き また 乗客の皆さんも ぞろぞろ 乗り込んできて 列車は 音もなく動き出します。
スペインの列車は 日本と違い 出発のアナウンスなどは あったことがないような・・・ 遅れても 気にしないような?感じです。
プレーゴー パサーアポルテと のんびり声で 通関の役人が 通っていきます。判を押すでもなく国境を越え フランスに 戻ります。
しるぶぷれー シルブプレェ と 座席の間を ちらちら見ながらだけの入館検査です。 こちらも 入館の印はおされません。 僕はフランスのピザを取っていないので できれば 滞在期間を伸ばすため に夕刻日時を入れてほしいのですけどね!
夕ドラー54
シッチェス3日目です。 今日は スケッチをして回ります。 教会の丘の向こうは 日本の漁村のような佇まいの集落です。
この日から20数年も過ぎた頃でしたか テレビの旅番組で 此処が 紹介されてました。 すっかり 立派なリゾートホテルや マンションの立ち並ぶ 今人気のイタリアのアマルフィーに負けない それに パリの街角かとも思う リゾート地になっていました。 さっそく あの時 シッチェスで出会うはずだった 友人に連絡します。 テレビ見たー 見た 見た 凄くデラックスになってたね。 人気なんだね! と 昔を懐かしみ筒も その変化に驚き 盛り上がってしまいます。
次の日の朝は ゆっくりと オープンデッキの 最後のバカンス気分をのんびり 味わって 荷物をまとめて 駅に向かいます。
まだ パリの学校は夏休でしょうか・・・ 急いで帰ることもあるまいと思いつつ 何処に 寄り道しようかと 観光ガイドブックをひらいてみながらとりあえず マルセーユ方面 行きの列車に 乗り込みます。
まだ 夜には早いかな と思っていましたら 見る間に当たりが 真っ暗になり 轟音と共に幾本もの稲光が荒れた大地に 突き刺さるように 降ってきます。 夜目の利かない僕の目にも 地平線の向こうまで 一瞬 一瞬 恐ろし気な光景を 青白く浮かび上がらせます。