「我らがワーストスリーなら、貴女のツアーは最低だ!」と、
テーブルを引っくり返して帰りたかったです。が、
添乗員さんや他のツアーのメンバーさんも居ます。
ぐっと堪えて、O女史に抗議です。
昼間のあれこれO女史の言動を問い正します。
一番目は昼食の時です。
「僕のビールは何処」と、誰とは無しに聞いたら、
前の席に居たO女子が
「飲み物は右に置くものだから、探しなさい」の声です。
もちろん僕は右の3時から5時辺りを手でさぐって探して
無かったから聞いたのです。
隣の席の人が教えてくれたビールの位置は
お皿の向こうの1時の位置辺りです。探しきれません。
2番目はです。レストランの前でです。
「トレイス君のオシッコ出来る所在りませんか」と、聞いたら、
「皆、初めての所だから分る訳ないでしょ」と、O女史です。
目が見えるのだから、見て探して下さい。
三番目は、夜のレストランに来た時です。
建物に入った時、「階段、階段」と、O女史が叫ぶので、
「階段の時は上りか、下りか言って下さい」と、言うと、
「貴方が聞けば良い事でしょ」と、怒ります。
「こういうことって、バリアフリーツアーの関係者として
もっと答え方があるのではないですか」と、反省を促すと、
「私はガイドじゃ無い」と、まだ怒ります。
ちょっとした思いやりの言葉も出し惜しみます。
優しい言葉や適切な言葉は
ガイドボランティアを雇わねば成りませんか?
でも此れでは、意地悪な看守そのままです。
それにワーストスリーと言われたトレイス君の名誉挽回を
して置かねばいけません。
「トレイスは僕に取って、心の支えであり、
かけがいの無い存在だ」と、言うと、
そんなの聞く耳持たない感じで、
「そう、盲導犬は歩行の道具でしょ、歩行を助けてこその
盲導犬でしょう」と、突っ撥ねます。
トレイス君が今日の雪の原に興奮した事や
散歩犬に扇動された事の非難を始めます。
一方的な正論で押し切ろうとします。
トレイス君だって言いたい事が沢山有るはずです。
トレイス君なりに頑張っている事が沢山有ります。
それに我らは歩行訓練に来ている訳では有りません。
観光旅行をしています。
「Oさん、いつも上から目線の言葉ばかりで、
おかしいのではないですか?
もっと障害者の目線で話して下さい」と、言います。
するとO女史は、やっと黙ります。
O女史は障害者バリアフリーツアーの企画などするトラベル
デザイナーの肩書きを持っています。著書も有ります。
NPOで、介助者ボランティア養成講座もやってます。
「トレイス君 さあ!帰ろう!」
僕は此の忌まわしい場所から一時も早く立ち退きたかった。
トレイス君は我関せずで、
後のテーブルのドイツ美人に見詰められ 、
「おーナイスドッグね」と、言われて、
でれーっとしています。
外に出ると、
一番でトレイス君と僕は飛ぶようにしてホテルへ帰ります。
凍てつく大気も憤った神経を冷やせません。