月別アーカイブ: 2011年10月

10‐愛を鷲掴み

 10‐恋のバルコニー
 バスがベローナの城壁に沿って走り始めた頃、
運転手さんが、前を自転車で行くのは現地ガイドの
ミケランジェロさんだ!と、言ってます。
えっ!あの剥げか?と、自主的さんの大きな声です。
駐車場にバスが着くと同時にミケランジェロさんも到着!
ミケランジェロさんは髭もじゃのアーチストぽい 大男です。
後頭部が丸禿げで、バスの上から見られてしまったのです。

 城壁の内の旧市街に入ります。
古い城壁を取り込むように建物が造られてます。
先ずロメオさんの大きな邸宅です。
映画や芝居で御馴染みの恋を囁くバルコニーは
通りに面してかなり高い所に在ります。
こんな所では密かな恋は出来ません。
直ぐ近所の評判になり、バレバレですね。
 
 玄関前にジュリエットさんの胸も露わな
彫像が立っています。
その露わな胸をがっしっと鷲掴みにすると、
愛が成就する?
右手を握るとお金持ちに成る。
と、ガイドさんが言ってます。
青銅の彫像のおっぱいと右手が皆さんの手で磨かれ、
ぴっかぴっかに輝いてます。
僕は療法に触りたかったのですが、どちらか一方でないと
願いが適わないと言う事で、おっぱいを鷲掴みにします。
願いはいつ適うでしょうか?

9‐赤い洪水

 9-第三の水難 黒と赤
 こじんまりしたレストランテは居酒屋風出真っ暗です。
今日のランチはイカ墨のパスタです。
白い服の人は墨が飛び散るから気をつけて!と、
添乗員さんの注意が入ります。
そうです。パスタをつるっとすすると、ぴちゃと、
わー大変!必ずはねますね。
ワン吉さんは大丈夫!と、白いシャツの上のブルゾンのチャックを
急いで上げた僕の様子を見て言われます。
上半身はカバーできましたが、
僕はズボンも白なんです。
用心にナプキンを大きく広げて膝に置きます。

 喉が渇いたのでオレンジジュースをもらいましょう。
注がれたいっぱいをググッと飲み、
自分でビンの残りをコップに注ぎます。わ、わ、わ、わ、
ジャバァとジュースがコップの向こうに飛んでます。
わー、ベネチアのオレンジジュースは真っ赤です。
白いナプキンが血で染まった様に真っ赤です。
あーぁ!第三の水難です。

 食後は再び水上タクシーに乗ってホテルに帰り、
荷物を取って、専用バスに急ぎます。
朝の通勤者に変わり、
路地に迫り出したカフェレストで食事を楽しむ
観光客で溢れています。

 バスに乗り込んだ我らは一路
ロメオとジュリエットの舞台、ベローナに向かいます。

再びのベネチアは・・

  8-二度目カンタービレ  
 ベネチア総督の館、 ドゥカーレ宮を見学です。
宮殿は司法・立法・行政の全てを賄うベネチア共和国の中枢です。
豪華な黄金階段を登って謁見の間に入ります。
金箔で縁取られた天井にチチアーノなど有名な画家の
描居た絵が飾られています。
 裁判を行う間の裏には牢獄に続く通路が在ります。
二度と現世に帰れない 嘆きの橋を超えて処刑場へ向います。

 僕は四十年前に個人旅行で一度ベネチアに来た事が有り、
今回は久々に二度目の旅行です。
前回はガイドブックを片手に美術館を中心に見て歩き、
ガイドさんの詳しい説明を聞く事もなかったので、
今回改めて、ベネチアの栄枯盛衰、
建築物の詳細な説明を受けて、見え無いながら、
想像を働かせ歴史や全体像を感じる事ができます。

 次はサンマルコ寺院です。
ベネチアはヨーロッパのの東の端、異教の匂い、
ヒンズー教の影響を感じます。
内部壁面がガラスのモザイクで埋め尽くされアラベスクです。
 前庭は列柱の立ち並ぶ大きな建物が左右に在り、
アーケードには沢山の人で賑うオープンカフェです。
以前は栄華の一場面を見るように感動したのですが、
二度目と成ると、えっ!こんな感じだった!と、
夢が広がりすぎていて、ちょっと白けて残念です。

 アンティークショップなどの建ち並ぶ路地に入って、
昼食のレストランテに向かいます。
目がみえるのなら一日、こんな路地をうろついて、
掘り出し物を物色したい・・・!

先ず感激の激写!

 7‐ベネチアは絵葉書そのままに・・
 長い旅の一日目が終わって二日目の朝です。
ベネチアは一泊だけなのでもう荷物を纏めねばなりません。
トランクの整理をして朝食です。
あまりパンもコーヒーも美味しく無いホテルです。
ベネチアは食事は期待はずれです。

 ホテルの外に出ると沢山の人の流れです。
皆さん職場に急ぐ人達だとか?
出勤風景にしては皆さんラフなファッション、
まるで散歩に出かけて行くような?
運河が巡らされ橋で結ばれた此の水の都には
十数万人の人が住み、大学まで有るのです。
 
 出勤者に対抗するようにちょっとだけ駅の方に出て、
ぐらぐら揺れる桟橋からゆらゆら揺れる水上タクシーに乗ります。
水難の相が出てますから用心!用心!
家並みの迫る狭い運河を抜け、橋の下を潜って、
大運河から外海に、教会の在る島を右手に見て、
サンマルコ広場の桟橋に到着です。

 豪華なルネッサンスの建物が立ち並び
ベネチアの栄華を今に伝えています。
早速 撮影タイム、
わー危ないよ!後は海です。
海にはゴンドラと船を繋ぐ杭が、絵画のように在ります。
逆行になるけど其方もバシッ!激写!
三百六十度絵葉書です。

ベネチアはみずびたし!

 6−ベネチアのホテルは
小さな段差がいたる所に在るし、
廊下の真ん中に柱が建っているし、
エレベーターは小さく四人しか乗れないし、
古い館を改造したのでしょうか?
くるくる回っている通路、
レストランテから部屋の前に到着した時
思わず大きく息をついてしまいます。

 時差の性か眠いのだか、眠く無いのか
ただすっきりしない感じです。
取り合えずお風呂に入って寝ましょう!
日本人だから浅いバスタブでもお湯を張って
寝そべって体を浸し、疲れをほぐします。
 気持ち良く成って、風呂から上がると、
わー、バスルームが水びたしでは在りませんか。
大慌てバスマットやバスタオルで水を拭き取ります。
あー、部屋にも水が流れ込む寸前でした。
仕切りの所が甘く、お湯がもれるのでしょう・・・
水難第二部です。

 寝ようとするとトレ君の顔が瞼にちらつきます。
如何しているでしょうか?
トレ君はふーんって感じにすましています。
此方は夜中の11時、日本のあさ6時です。
いつもはそろそろ散歩に出る時間です。
そんな事を思っている間に疲れもあって眠りに入ります。

哀愁のベネチア

  5‐ベネチアは水難の相
 アドリア海に夕日が沈む頃、ベネチアに到着です。
空港からバスに乗って、鉄道と平行に走る道を行きます。
サンタルチア駅近くは映画「哀愁」の
ラストの別れのシーンを思い出さずにはいられません。
鉄道フアンの自主的さんは水色の二階建て列車を見た!と、
大興奮しています。 オイラも見たい!
夕暮れて僕はグレーの世界です。
イタリアンカラーの列車はきれいでしょうね。

 本島にもバスガは入れないので、
手前の駐車場から徒歩でホテルに向かいます。
最近出来たばかりの大橋を渡っていきます。
其の橋はデザイン重視なのか?
全く歩きにくいランダムな階段で我ら泣かせです。
緩い太鼓橋ですからスロープも着けて欲しい!
古都にはユニバーサルデザインは似合わないでしょうか?

 幸い僕にはお迎えに来てくれた、
イタリア女性のシルビアさんが手引きをしてくれます。
流石イタリア女性、ルーツはウィーンとかで背が高いが
乗り換え空港のドイツ女性に比べ とても妖艶!
寄寓にも僕の唯一のイタリア人の知人を知っているとか・・

 ホテルに着くと、えーっ!またまた食事、
十月五日の何度目のご飯でしたっけ!四回?五回?
時差の性で今日は三十一時間有ります。
ホテルのレストランは運河に面してテラスが有ります。
水上タクシーが通る度、水面が揺れてムード満点です、が、
外海から隔たった水は澱んで、ドブ臭いのです。
 先ずは無事の到着を祝して乾杯です。
前菜はペンネパスタ、沢山有ります。
日本だと此れがメインに成りますね。
メインデッシュは魚のフライです。
添乗員さんに切り分けてもらおうとして、
手先がビールをグラスを突いて仕舞い、
真っ白いテーブルクロスにぶち撒いたのです。
アー、ベニスの水難の始まりの予感!

機内食!

 4-機内にて
 飛行機は飛び立つと直ぐ食事がでます。
ブロイラー状態だわ!と、隣りの女性が言います。
畳半分も無い座席に括り着けられ、
フランクフルトまで12時間の飛行の間に
何度も餌が与えられるって訳です。

 先ずはオツマミと飲み物、続いてランチ?が、
和食と洋食から選んで頂けます!と、言ったのに、
我ら後部の座席は、もう和食のみしか残ってません?
 ちょっと不公平?不満です。

 残っていた和食ランチは鳥の照り焼き丼?です。
狭い空間の小さいトレイの上で食べる準備は大変!
温められたランチボックスの蓋を開けるのも一苦労、
ホークやスプーンを出したり、調味料を探し出すのも大変!
日本蕎麦のタレの準備は出来ません。
ぶちまけて仕舞いそう!添乗員さんの助けを待ちます。

 照り焼き丼は 物足りない味です。
醤油か塩をちょっと振りたいね!って漏らすと、
あらっ!薄味がいいのよ!
塩分取りすぎは体に悪いんだから!と、言われます。
それはそうですが・・
あっ!此の女性のしゃべりの特徴は、
一つの事に対して、必ず念をおすように二つの表現をします。
ピアノや声楽を遣っている音楽家さんです。
思い出せば、何時かの旅行で
ピアノ弾期の女性に噛み付かれた事が有りましたね!
言葉には気を着けましょう!

 飛行の真ん中辺りでおにぎりが出て、
到着間際に夕食?でも元気時間では昼ですが・・
何しろブロイラーですから、3時間置きに食べ物が出ます。
夕食は後部座席優先で、昼の不公平の埋め合わせ、気を使ってます。

 フランクフルトで乗り換え、スイスアルプスを一跨ぎ、
イタリアのベネチアに向かいます。
眼下にアルプスの雪を頂いた峰々の連なりが美しいと、
言う歓声が聞こえますが、僕にはただただ白いばかりです。
この小さな飛行機でも、ご丁寧にとても甘いケーキが出ます。

 

通関 搭乗

  3-通関 搭乗
 時刻が来て、いよいよ飛行機に搭乗です。
今回は家族参加が無く、晴眼者は自主的さんのみ、
男性単独参加は四名、内 全盲者二名、
女性は単独参加は三名、内 全盲者に名、
そして弱視の御夫婦が一組です。
添乗員さん二名でこれだけの面倒を見なければいけません。
添乗員さんに連なって登場手続きに進みます。
わー、如何成ってるか分かりません。
手荷物検査で荷物や上着をカゴに入れます。
我らは自分の手から離れた物は直ぐ見失います。
白杖も奪われて
おたおたしながら出国、通関です。
手続きが終わった所で自主的さんが待っていて、
男性陣を纏めてくれてます。

 トイレ!って、声が上がります。
我らは外に出るとトイレが不安です。
自由に自分でいけないと常に気になってしまいます。
其の点 まるで幼稚園児の様に、気に掛け
零さない様 朝顔の位置を教えてもらい、手洗いをさせてもらい
いろいろと面倒見てもらわねば成りません。やれやれ!

 あれあれ!もう免税店でお土産を買ってる人が居ます。

 飛行機は満席です。
僕は初参加の女性と隣り合わせです。
いいなぁー!って感じ出男性陣から声が掛かります、
良いか?如何かはこれからです。

 

再会の瞬間!

 今日は13日、帰国して一日目の朝です。
昨夜は一眠りして夜中に目が覚め眠れなかったのに、
朝食を食べ終わった七時頃から、眠い眠い!
そうだ!七時間の時差だから、
昨日までは、今は真夜中です。
トレ君も里帰えり中だから、朝の散歩もするきは無いし、
小雨が降って薄暗いし、完全時差ぼけ続行中です。

2-関空の再会
 「ワン吉さんは、此のツアーの参加は何回目だい」と、
江戸弁の自主的ボランティアの自主的さんから聞かれます。
「今回で二回目ですよ!」と、再会の挨拶を交わしながら答えます。
「なんーだ二回目!ずーっと居るような気がするな」と、
言われて仕舞います。
 此のツアーはリピータさんが多い、
今回も新人さんは二名のみです。

 空港バスは事故も無く、予定どおり早目に
定刻より二十分前に、無事到着です。
迎えてくれた前回の男性添乗員さんが集合場所に
誘導しながら話してくれた事には、
此方では、アクシデント発生で、
三名のキャンセルが有り、10名のみの参加に
成ったし、添乗員さんさんも、私用で、
急遽 ピンチヒッターさんい成るそうです。

 集合場所では早速 自主的さんの歓迎を受けます。
自主的さんは晴眼者ですが、毎回参加で
自主的に眼の悪い我らを助けてくれてます。
 視覚障害同士の我らは誰が参加で何処に居るか分るには
暫く時間が掛かります。

 先ず手始めに・・と、
新しい添乗員さんにトイレの案内をお願いします。
わー、物凄い用心深いサポートです。
谷川の一本橋か平均台を渡っている感じです。
「初めてなので!」と、緊張してます。
後を歩くので普通で大丈夫ですよ!と、言っても、
まだまだ堅さが取れません!

 

 

深夜の出発

 10月5日(水)くもり時々はれ
午前2時 起床です。予定どおりぴったりに目覚めた事に感激!
先ず髭を入念に剃り、電気剃刀を忘れないようバッグに入れます。
昨夜荷造りしたトランクを玄関に出し、
後輩M君の迎えを待ちます。

 あ、そうそう、昨夜M君に最終確認のメールをします。
でも でもです。何度掛けても電話は通じません。
呼び出し音もせず、パッチと切れてしまうのです。
わー!避けられているんでしょうか?
5回ほど掛けても駄目で途方に暮れます。
でも深夜の送りが無いとツアーが入り口で閉ざされます。
あっ!と思いついてメールの手を考えつきます。
あー、良かった、メールは通じ、確認完了!

 3時半前、M君到着
パースポート、常用薬を持ってますか?
はい 持ってます。と、自己再確認。
 さぁ出発です。
雨も降ってません。暖かです。
順調に高速道路を走って、高松インターの
空港バス乗り場に着きます。
空港バスは無事に関空の集合時間に間に合うかな?