月別アーカイブ: 2011年11月

焦って電車は脱線です。

   37-盛り上がる動く歩道

 なにしろ我らは ひた走ります。
フランクフルト航空に到着したけれど、
乗り継ぎ時間に余裕が無いのです。
 我らが走っている通路の隣りには巨大なタックスフリーの
ブランドショップが大きな口を開けて待ってます。
だけど我らは脇目も振らず走らねば。
希望も夢も振り捨てるように走ります。

 視覚障害者九名で、手引きの添乗員さんが二名です。
現地ではガイドさんが一名ないし二名居たので、
一人の手引きに二名の連なりで済みましたが、
今は男性の方は四名も連なった電車ごっこです。
添乗員さんの直ぐには中途失明の山口さんに譲ります。
その次は、初めてツアー参加で弱視の奈良さんに捕まってもらいます。
それから全盲の大阪さん、僕と続きます。
其の逆も有ったりしますが、急いでいると、最後尾の僕はよく切り離されます。
我らの後ろから弱視のご夫婦が来てます。
切り捨てられて、前方を見失ってる僕の手を
ご主人が前の人のリュックに掴まらせてくれます。

 一対一の手引きは楽ですが、二人、三人と成ると
真ん中に挟まれても大変です。
三人のリズムが取れず、引っ張られたり、引っ張られたり、
見失ったりで旨く行きません。
それに真後ろを歩くと、前の人の靴を踏んでしまうし、
横にづれて行くと、柱や者にぶつかります。

 フランクフルトの巨大な空港は五回も六回も動く歩道を乗り継いで行きます。
新しいタイプでしょうか?乗ると一旦盛り上がって進むのが在ります。
初めてだったので、我ら後ろに引っくり返ってしまいます。

希望無きフライト

   36-飛べ 飛ぶんだ!

 少し搭乗時間が遅れているようです。
時間が来てもゲートが開きません。
きょうは快晴、遅れているのは天候の性では有りません。
暫く待って、やっとバスがでます。
路面からタラップで搭乗です。
 乗り込んでシートベルトを締めて、スタンバイオーケー!
あー、三十分待っても飛行機は始動しません。
ざわざわ、皆さん不安げに囁き合ってます。
所在無さげに酸素マスクや救命胴衣の着け方のデモンストレーションが有ります。
滑走路が混み合っていて、前に六機待機中とアナウンスが有ります。
一時間経過です。わーショッピングが・・
如何して遅れてるんだ!俺も分からない!と、機長もお手上げのアナウンス。
如何してくれるんだ、我らの最後の希望。
ちょっと見てきてよ!って言いたいです。
一時間半も過ぎて、やっと飛行機はのろのろと動き出します。
しゃかしゃかせんかい!と、飛行機の横面を二、三発張り飛ばしたい感じです。
ごろごろと重たげに気体を引きずって飛行機は滑走路に到着です。
飛行機もやっと本気をだして、ごぉーっとエンジンを吹かして飛び立ちます。
あー、此の時点で我らの最後の希望、タックスフリーは消えて仕舞います。
しょんぼりと希望無きフライトです。
 そして、乗り継ぎに間に合うでしょうか?
乗り継ぎは同じ飛行機会社だから待ってるだろう!いや、切り捨てられるかも?

 眼下にアルプスの白い山々が見える!と、言ってます。
サービスのワゴンが来ます。
僕は物凄く喉が渇いたのでジュースとお茶を貰ってがぶがぶ飲みます。
我らが楽しんだ冬の国は過ぎていきます。

リベンジ タックスフリー

   35-まだ そこそこの満足

手荷物検査等は大変です。
リュックやポーチもカゴに入れ、ポケットの物も出し、
上着も脱がされ、白杖も奪われます。
それでもブーっと鳴ったら身体検査です。
其れでパスしても自分のものが全部返ってくるか不安です。
あー何とか通過、次は出国検査です。

 ほ^!溜息がもれます。何度やっても緊張です。
さぁ お待たせのタックスフリーです。
昨日 ミラノ市内でのショッピングができてません。
不完全燃焼の買い物欲、お土産も買えてません。
皆さん買いたい物を添乗員さんに伝えます。
んー えー 希望はまちまち、添乗員さん右往左往、
僕はオリーブのバージンオイルとシルクのマフラーが買いたい。
ちょっと上げれるチョコレートも買って置かねば!
我らは真ん中辺りの通路に立っていると、希望の品が見つかると
添乗員さん呼びに来て、購入を手伝ってくれます。
シルクのマフラー、とても上品な物しか在りません。
僕の希望はカジュアルなトレ君との散歩に着けれるものです。

 そこそこ皆さん買った所で、そろそろ搭乗じかんです。
まだまだ不満げでも有りますが。もう一度チャンスが有ります。
フランクフルト空港で乗り換え待ち時間、二時間有ります。と、
添乗員さん、皆さんを宥めます。
フランクフルト空港はヨーロッパで二番目に大きい飛行場ですよ。

  搭乗ゲート前で交代でトイレに行きます。
女性陣の荷物を見てて上げます。
わー 買ってます 買ってます。お土産が椅子からはみでてます。
何個か持って行かれても僕は気づきませんよ。

幅広点字ブロック

  34-自分の事は自分の責任で・・

 バスは飛行場到着です。
忘れ物無いように!と、添乗員さん念を押してます。
あ そうです。昨夕 専用バスから下りる時もです。
此のバスは此れで終わりです。くれぐれも忘れ物のないように!
忘れても取り返しが付きません!と、言われます。
僕は前に帽子を落としてました。心配。
添乗員さん見て下さい!と、お願いしますと、
自分の事は自分で!と、向こう隣りの大阪さんが偉そうにいいます。
大阪さんは全盲ですが、見えてるように何でもスムーズで
しっかり自立出来た感じです。
 豪華ホテルのロビーでです。
えーと、携帯とハンカチがバスにお忘れでーす!と、
添乗員さんのアナウンスです。
皆ごそごそ自分のバックを検索です。有る有るの声に混ざって、
あーれー 無い!と、大阪さん。
あーぁ!先ほど大口を叩いた大阪さんが忘れてます。
自分の事は自分の責任ででしょ!それは捨てたんだよね!と、
皮肉たっぷりに言ってやります。
皆さんからも、ワン吉さんにずーっと言われるよ!と、
非難の追い討ちです。

 ミラノ航空に入ります。
添乗員さん、男女二名に我ら視覚障害者九名、
空港内は暗く複雑です。電車ごっこで連なって進みます。
あっ、点字ブロックが在る!と、奈良さん。
着いて行くのが必死で気が着かなかったが、メインの通路には
日本の二倍の幅の点字ブロックが敷かれています。
点字ブロックに沿って行くとチェックインカウンターです。やれやれ、

 

朝から焦ります!

  33−ロビーにビデ?

 10月11日 ミラノからフランクフルトそして・・
 豪華な部屋ともさよならして今朝は二本に向けて帰ります。
出発の時間が早いので、トランクを出し、荷物を持って
朝食に出てください!と添乗員さんの指示です。
もう、此の部屋には帰りません。
もう一度 念の為とトイレに行ってる間に、僕は置いて行かれてます。
しかし、もう一人、隣の部屋の山口さんも出てきません。
添乗員さん焦ってます。ドアを叩いています。物音はするが・・返事無し!
如何なってるんでしょう?暫くしてドアが開きます。
わーっ!寝過ごしたようです。未だトランクも纏められてません。
添乗員さん必死でお手伝いです。
五時ごろ眠れないので薬を飲んだ!と、言ってます。
えーっ!僕は五時ごろ起きて、出発の準備をしましたよ。
僕の朝食は如何成るでしょう?
やっとレストランに下りていくと、皆さんもう終わり掛けてます。

朝食はさっと食べて、部屋に帰れないので、
ロビーのトイレで用を足して出発です。
あれービデしかない!と、広い多目的トイレを覗いて自主的サンが言います。
まさかー!ロビーにビデ?
それは低めに造られた障害者用便器です。
ウォシュテットの無い語外国のトイレで始めてのウォシュレットです。
以前、手足の不自由な車椅子の方と旅行した時、
携帯型お尻洗浄機を持参してたのを思い出します。
さすが障害者には配慮されてますね。

 そんなこんなで、慌しくミラノのホテルを出発です。
あっ!凄いホテルの全貌は?如何でしたか。
振り返って見る余裕も無かったです。

 

豪華絢爛な夢!

   32-赤カガミ張りの部屋

 添乗員さんは大慌て、皆さんの 不味い!の言葉に
何とか対応しようとしています。
キッチンに行ってレモンを貰ってきます。
レモンを絞って、一口食べます。
ダンボールに少し潤いが出ます。しかしまだまだです。
塩でも無いですか?
テーブルの隣に居たSご夫婦さんが、
関空でミラノ風カツレツを食べたのだけど、
とても美味しかった!と、言ってます。
そうなんだ、日本のミラノ風カツレツは美味しいんだ!

 ミラノ郊外の 此のホテルは凄い!らしい。
部屋に入っても 其の凄さが部屋の中にも輝いてます。
もったいないほど広い部屋は鏡を張り巡らされて、
イタリアンカラーの赤で統一されてます。
ベットとリビングセットの間仕切りも鏡が揺らめいています。
オイルマネーのアラビアンが好きそうな感じです。
インターネット環境も完備です。
そうだ此のホテルの在るのは見本市会場です。
スポーツカーやファッションブランドの展示会の時、
バイヤーでホテルは賑わうでしょう。
家具は一見アンティーク風のモダン家具が設えられてます。
ツアー最後の夜、豪華絢爛な夢に酔うのだ!

最後の晩餐

   31−お米は野菜です。

 夕食の時間も迫っているからか、添乗員さん大焦りで、
奈良さんのトイレコールを忘れてます。
我らにとってトイレタイムは命の次に大事です。
添乗員さん チェックインを終え 部屋割りの話しを始めます。
先にトイレの案内をお願いします!と、言います。
あーそうだ!と、添乗員さん、ながーく我慢させました!と、
やっと気づいてトイレに案内してくれます。
 それから 大急ぎで部屋に荷物を置き、レストランに集合

最後の晩餐です。
メインディッシュは楽しみのミラノ風カツレツです。
前菜はお米のサラダ?です。
ヨーロッパの国々もお米は食べますが、主食では有りません。
あくまでお米は野菜の一つだそうです。
お米のサラダは大きな深皿いっぱいにあります。
どんな味だった?と、聞かれても食べた事無い味です。
お粥の様な見栄えですが、お米には心が有ります。
ドレッシングの様な味付けでも無く、すっぱくも無く、
さっぱりして美味しいのです。お米も懐かしかったのか?
こんなに食べたらカツレツが食べれなくなると思いつつ完食です。
 さぁ!待ちに待ったミラノ風カツレツの登場です。
パーティー皿の様な巨大な皿で登場です。
香ばしい、食欲そそる匂いです。では、頂きます!
大きな口に放り込んでパクパク パク、
うーん 何?これ?味が無い、ダンボールを噛むような・・・