大きな竹の子を貰った僕は、
重くって、山道は担いで下りれません。
爺ちゃんの里の
誰かが担いでバス停まで運んでくれます。
ぶーぶーと、カーブを曲がって
ボンネットバスが来ます。
僕と竹の子の袋を、わが町で降ろしてくれるよう
よーく頼んでバスに乗せてくれます。
戦後の臭いのする其の頃は、
自家用車を持つ人も無く
バスもけっこう混んでます。
車掌さんは大して迷惑がる事も無く、
引き受けてくれます。
荷物だけを頼む人さえもいたりします。
それで狭い通路は荷物がごろごろしています。
我が町に着くと、車掌さんが
僕と荷物を下ろしてくれます。
荷物は後で爺ちゃんが取りに来ます。
そして自分の古里の味を懐かしみます。
思い出せば、あの大きな竹の子の根っ子は
堅い歯応え充分の竹の子です。
爺ちゃんに取ってはあれが
古里の味なんでしょうね。
がりがりがり・・・・