其れでも暫くしたら電話が掛かって着ます。
「何か・有った・・」と、ぶっきらぼうです。
「皆が、如何してるのか?と、心配してるから」と、
伝えると、
電話に出ると眩暈がするんだぁ!と、ひ弱に言います。
あーぁ!欝傾向ですかね。
僕も春先から眩暈がします。
耳の中の石が動いていると言われているので、
でも気にしないようにしています。
話しが続きます。
「それに昨年は入院したりしてたし・・」と・・
「何で入院?」
「腹腔鏡で胆石の手術をした」と、言ってます。
なんだぁ、其れなら僕もしました。
双子でも無いのに同じ頃、同じ症状です。
そんなに落ち込む問題では無い様な??
ネガとポジ、捉え方の違いです。
「もう少ししたら気分が良くなるだろうから」と言います。
こう言う病気って春先はいけないですかね?
カラッと夏晴れの日に
電話が掛かってくるのを期待しましょう。
友人の葬儀はお焼香も終わり、出棺の時です。
皆さんに花が配られ、最後のお別れです。
花をお棺に供えて、最後の言葉を掛けます。
僕は見えないので、友人の遺体に触らせてもらいます。
花に埋もれた遺体の頭に手が触れます。
禿げていた頭に、赤子の様なふわぁっとした
柔らかな産毛が有ります。
不思議と温かです。
思わず愛おしさが込み上げてきて涙が溢れます。
特に気が合うと言う友人では有りませんでした、
其れでも何だか縁が有って中年期を関わり深く過ごします。
僕が目を悪くして会うことも有りませんでしたが、
何処かで元気で居てると思うと、其れで良かったのです。
もう会う事も、話す事も出来ないのだと思うと、
愛おしくって涙が零れて仕方ありません。
友人の親切ばかりが溢れるほどに思い出します。
「いろいろありがとう!ありがとう」