初めで最後の父の日のプレゼント!

 父は五十代に入ったばかりの頃
大怪我をして、長い間のギブスが災いし、
右足の膝が曲がらなくなって仕舞います。
紐付きの靴は苦手で履かないし、
スリッパな様な履物も脱げてしまうし、
鼻緒の有る草履等、履いていたのでしょうか?

 それから連れ合いの母を亡くし、
七回忌が過ぎた頃、
供養にと四国遍路に行くようになります。
遍路は流石、草履ではいけません。
病院でも履いていた学童用の上履きを履いていきます。
上履きは突っ込みで履き易く、軽いでしょうが、
階段や石畳、悪路の所を歩かなければいけない遍路道、
足は痛くないでしょうか・・

 僕は父の日にスニーカーをプレゼントしました。
紐付きは駄目なので、其の頃、
沢山出ていたマジックテープ方式の物を買います。
「次の遍路から此れを履いて」と、贈ります。

 父は次の遍路で喜んで(多分)履いて行ってくれます。
此れで、足の裏にも負担藻軽く
快適な遍路が出来るだろうと、良い気分で見送ります。
 だが、帰ってきた父は「足が痛い!」と、言ってます。
足の裏は大丈夫なんですが、足の甲が痛いようです。
マジックテープを縫い付けた所が、
周りの生地と伸縮が違って、甲を擦って痛めるようです。
其れ以後、父は其の靴を履きません。
また元の上履きで遍路に出かけます。

 そして、其の一度しか履かれない靴が、
僕の初めてで最後の「父の日のプレゼン」に成りました。