霧に覆われる山塊

 14−バラの山の伝説

最近の携帯電話は便利です。
電波時計で外国に着いたとたん、
現地の時報に変わります。
そして電話やメールも日本に届きます。
 それで以前から思っていたのですが、
携帯で撮った写真を自分のパソコンに送って、
ブログを書く時、要所要所で添えるのです。
其れなのに、何かと旅程が慌しく、
ポイントのベストショットを取れません。
此の前のブログにやっと雪景色ひとつ乗せる事が出来ます。

午後はまたまたくねくねと山を登って、
木々の繁みも無くなる高さ二千メートル近くの
ドロミテ渓谷に在るミズリーナ湖に到着です。
湖の左右に大きな山塊が聳えてます。
 
 バラ色に輝く山には 
こびとの王様と美しいお姫様が住んでおりました。
其のお姫さまを見初めた対岸の山の王子様が、
有る日 お姫様を攫って仕舞います。
嘆き悲しんだこびとの王様は 
此のバラ色の輝く山が目立ちすぎるからだ!と、
怒って此の山を霧で包み隠して仕舞います。
バラ色の山は霧に覆われ見る事が出来なくなります が
王様は時間の指定を忘れたので、
朝夕には霧の中からバラ色に輝く山が望めるのだそうです。

 ミズリーナ湖は満々と水を湛えて、
無機質な岩塊の間で、そんな伝説を秘めながら
悠久の時を刻んでいます。