焦って電車は脱線です。

   37-盛り上がる動く歩道

 なにしろ我らは ひた走ります。
フランクフルト航空に到着したけれど、
乗り継ぎ時間に余裕が無いのです。
 我らが走っている通路の隣りには巨大なタックスフリーの
ブランドショップが大きな口を開けて待ってます。
だけど我らは脇目も振らず走らねば。
希望も夢も振り捨てるように走ります。

 視覚障害者九名で、手引きの添乗員さんが二名です。
現地ではガイドさんが一名ないし二名居たので、
一人の手引きに二名の連なりで済みましたが、
今は男性の方は四名も連なった電車ごっこです。
添乗員さんの直ぐには中途失明の山口さんに譲ります。
その次は、初めてツアー参加で弱視の奈良さんに捕まってもらいます。
それから全盲の大阪さん、僕と続きます。
其の逆も有ったりしますが、急いでいると、最後尾の僕はよく切り離されます。
我らの後ろから弱視のご夫婦が来てます。
切り捨てられて、前方を見失ってる僕の手を
ご主人が前の人のリュックに掴まらせてくれます。

 一対一の手引きは楽ですが、二人、三人と成ると
真ん中に挟まれても大変です。
三人のリズムが取れず、引っ張られたり、引っ張られたり、
見失ったりで旨く行きません。
それに真後ろを歩くと、前の人の靴を踏んでしまうし、
横にづれて行くと、柱や者にぶつかります。

 フランクフルトの巨大な空港は五回も六回も動く歩道を乗り継いで行きます。
新しいタイプでしょうか?乗ると一旦盛り上がって進むのが在ります。
初めてだったので、我ら後ろに引っくり返ってしまいます。