トレ君の奇跡‐9

  9‐治す為の液!

 トレ君が帰って来て、トレ君とのお出掛けは楽しいです。
まだまだ遠出はむりでしょうが、
ちょっとづつでも、一緒に歩きましょう。
手術の跡は確実に治りつつ有ります。
来週の水曜には抜糸が出来るでしょう。

 そんな気分を楽しいで居た三日目、
十一月五日、土曜日の午後です。
トレ君の傷の周りがぶっくっと大きく脹れてます。
触ると、水枕の様にチャポチャポしてます。
朝はなんとも無かったのに・・・
わー、傷が悪化ですか?不安です。
訓練所の緊急携帯に電話を掛けます。
術後は液が溜まる事が有ります。明日は日曜だし、
念の為 獣医さんに診て貰って下さい!との指示です。

 PWさんは東京出張中だし、手術した獣医さんには遠いし・・
取り急ぎタクシーを呼んで、行き付けの動物病院に駆けつけます。
 傷を治そうとして分泌された しょう液が溜っているのだそうです。
液を抜きながら治療していきましょう!と、
傷口を少し切開して液を出します。
液はびゅーっと飛び出したそうです。
トレ君はじーっとして治療を受けています。

 其の夜もトレ君の傷口から 
血の混ざった しょう液は流れ続けます。
トレ君は前足を顎の下に折り込んで、
小さく小さく丸まって、寝ています。
寝息さえも聞こえません。
何度も流れる液を拭いて上げます。
両親に尽せなかった孝行を、
せめてトレ君と思い、看病を尽します。
あんなにやんちゃだったトレ君が、
弱弱しく体を寄せて来ます。