3.心で描く心の動き 四国中央で現代アート展 仙波さんら20点
2012.11.02 愛媛新聞
四国中央市の作家7人による現代アート展が同市川之江町の市かわのえ高原ふるさ
と館で25日まで開かれている。視覚障害のある造形作家仙波慶伸さん(65)と教
え子が8年ぶりに開催、油絵やインスタレーションなど約20点を展示している。
仙波さんは2006年まで約30年間、市内でアトリエを主宰。視野や視力が次第
に失われる網膜色素変性症で現在、色覚はなくコントラストを認識できる程度だとい
う。
今回、身の回りの品を使ったアッサンブラージュ(立体物を寄せ集めた作品)2点
を出品。「白日夢の中の散歩」は、大量の錠剤の包装がらを入れたビニール袋を人体
に見立て、シャツを着せた立体を左右に配置、真ん中には扇風機の網。人体にはそれ
ぞれ銃やラッパを添え、「死を思うことも楽しいこともある。揺れ動く自分の心の不
安定さを表現した」。
扇風機は地球をイメージし、「フランスで絵画を学んだ20代のころのように世界
を駆け回りたい」との思いを込めた。目が見えていたころのイメージを頼りに創作、
左右のバランス調整などは教え子らに手伝ってもらい、3カ月間で2点を仕上げた。
教え子の作品も多彩。モーリエール瞳さん(33)は、カラフルな布に白色絵の具
で型抜きした平面作品「光と木と私と」など4点を出品。11年まで2年間留学して
いたフランスで子ども絵画教室を開いていたといい、「まじまじと創作したのは8年
ぶり。フランスの子どものように、難しく考えず自由な感覚で取り組めた」。
仙波さんは「保守的な愛媛では現代アートは根付きにくいといわれてきたが、アー
トに東京も地方もない。いろんな表現方法を発信し続けたい」と話している。入場無
料。