それでも何とか間に合って、
トレイス君も 水を頂きます。
これで落ち着いて、公演を楽しめます。
広い会場に、太鼓の練習の音が響いています。
トントン、トントン、軽快な小気味良い音です。
トレイス君は早くも伏せて静観の態勢です。
今回、公演を企画して頂いたAさんの挨拶、
それから八丈島から来た父Aさんの御挨拶、
先ず民謡から始ります。
手拍子と掛け声を皆で会わせます。
「俺もやるの?」と、トレイス君が起き上がります
「しょーい、しょい」 (いい塩梅の意味) の掛け声に
穏やかで、伸びやかな声が響いています。
八丈島のイメージから、
もっと激しく、荒々しい歌かな、と、
思っていたのですが・・・和む歌です。
男女の歌が多くって切なくも有りますね。
メインエベント太鼓演奏に入ります。
始は緩やかな調子から、徐徐に
強く激しい調子に成り、リズムが
折り重なるように登り詰めて行きます。
会場が地鳴りの様に揺れます。
「トレイス君だいじょぶ??」