幻の ちらし寿司・・

 隣のばぁちゃんのおみまいにいって
病院で 昼を食べる事にします。

 今日の定食は ちらし寿司”です。
そうだ 今日は雛祭りです。
 錦糸卵やそぼろののった
色鮮やかな・・? みえませんが ちらし寿司です。

 ばぁちゃんの元気なころは
ちらし寿司にハマグリの吸い物が
雛祭りのていばんでした。
 できたばかりの ちらし寿司は
酢がきいて とてもおいしいのです。
美味しい時に たっぷり食べておきましょう!と
腹いっぱいの上に もう一善頂きました。

 ばぁちゃんが癌治療を始めて・・
ちらし寿司は手がかかる!と言って
作ってくれなくなりました。
 料理下手だった亡き母も ちらし寿司は
とても美味しくつくるのです。

 時に食べたくなって
ばぁちゃんにせがんだりしましたが・・
作ってくれることは有りませんでした。
 それが 倒れる少し前
思い切って作ってみたんだよ!と
何の日でもないのに 
ちらし寿司を作ってくれました。
ちょっとびっくりしましたが・・
感動で頂きました。

 いま思うに ばぁちゃんの心に
何か 知らせる物があったのでしょうか・・?
母の味を受け継いだ ばぁちゃんのちらし寿司
もう 二度と食べる事の出来ないかも知れな
我が家の味・・・