おしゃべり人形ー2

 ばぁちゃん モモちゃんを連れて来たよ!と
動く法の右手に おしゃべり人形を抱かせます。
 ばぁちゃんは 大きく目を開いて
何だろう・・? と 見つめています。
 おばぁちゃん遊ぼう!と モモちゃんは言ってます。
モモちゃんは 手を握ると喋ります。
ばぁちゃんに聞かせようと何度も握っていると
沢山の握手うれしいなぁー!とお礼を言います。

 ばぁちゃんにも 手を握らせようと
手を探しますと 手にはミトンの手袋をされています。
いろいろと繋がれているチューブを無意識に
引っぱらない様に ミトンを点けさせてもらってます。と
看護師さんから説明されます。
 かすかに動く右手のリハビリにもなればと思ったのに
その点はがっかりです。

 でも モモちゃんは 朝8時に成ると
おはよーう!と喋りはじめ
触らなくても 時々 話し 歌います。
 そして 夜の九時になると
眠くなっちゃた お や す み!と言って寝ます。
 おばぁちゃん だーい好き!とか
あそぼーぅ!など孫に言われたい言葉を喋ります。

 其れから丁度一週間目の早朝
ばぁちゃんが・・!と電話が入ります。
駆けつけた時には 幾ら呼びかけても眼を開けません。
降れた体は 未だ暖かく眠るような姿ですが・・
 ばぁちゃんは おしゃべり人形 モモちゃんだけに
見守られ 息を引き取って逝ったのです。

 家に連れて帰った モモちゃんは
それでも ひとりばぁちゃんに話しかけます。
おばぁちゃん おばぁちゃん 大丈夫・・?
おばぁちゃん いつまでも一緒にいようね!と言う
言葉日はは自然に涙が溢れます。

 初七日も終わり 孫達も一人 二人と
学校へ職場へと帰って行きます。
 息子も帰り 娘たちは 今日でいったん引き揚げます。
今夜からばぁちゃんは また独りの夜に成ります。
 遺影の飾られた祭壇に モモちゃんを置いて
これからも ばぁちゃんが寂しがらないよう
楽しい お喋り沢山してあげてね!と頼むのみです。