ばぁちゃんの お雛さま

 隣のばぁちゃんが三十四年の
大阪での生活から・・
老後は田舎でと 我が家の隣に
Uターンして来た春に
 ずーっと仕舞って有った
お雛様を だして飾りました。

 戦前の頃の 素朴な造りですが
宮殿の中にお内裏様が鎮座する形です。
五段かざりの お内裏様と
三人官女までしか残っていないので
床の間に緋毛氈を敷いて 其処に並べました。
お嫁に言った頃の ばぁちゃんを思い出したり
帰って来てくれた実感と安心感を感じて
古い我が家に華やいだ気分が漂って居るような
久しくなかった
幸福感が満ちてくるような・・思いがしました。

 ばぁちゃんは もうあちらの世界に逝ってしまい
お雛様を飾る事もないですが
せめてもの思いを込めて
仏前に ひな霰を お供えしました。