手乗り野鳩

「今日はふた枝降りてきてたよ」と、
ばぁちゃんが言ってます。
野鳩の雛が松の枝の巣から
昨日は一段、今日は二段降りて
巣立ちの準備です。
でも、旅立つ勇気が無いのか、
やっぱり暫くするとのこのこと、
上の狭い巣に帰って行きます。
野鳩の巣は大きく成った二羽の雛達には
もう、かなり狭いです。

 ずーっと前です。これらの鳩の先祖かな。
野鳩の夫婦が我が家の庭に来ていました。
お爺ちゃんや愛犬ダン吉の居た頃です。
小春日和の昼下がり、お爺ちゃんとダン吉は
のんびり日向ぼっこです。
其の前に野鳩の夫婦も遣ってきて日向ぼっこです。
「お爺ちゃんは手乗り鳩にするんだ」と。
ダン吉のドッグフードを撒いてやるのです。
最初は三メートル、そして二メートル、
人に慣れない野鳩が段々お爺ちゃんに近づいてきます。
ダン吉も眠そうな細目で、吼えたりせずに見ています。
何日かすると野鳩の夫婦は一メートルから50センチと
お爺ちゃんの直ぐ足元まで近づいて来ます。
「もう、ちょっとだ!」と、お爺ちゃんは
手の平にドッグフードを一握り乗せて、
石のお地蔵さんに成って動きません。
果たして、お爺ちゃんの手の平のフードを
野鳩は膝に飛び乗って啄ばむでしょうか?