手乗り野鳩にしようとお爺ちゃんは頑張ったけど
結局、野鳩の夫婦は50センチ以内には
どうしても近づいてくれません。
それから先は、お爺ちゃんの根気が負けたのか、
野鳩の人を信じない野生が勝ったのか?
でも、それからも小春日和の中庭で
野鳩の夫婦は大きく地面に羽根を広げ、
お爺ちゃんと愛犬ダン吉との日向ぼっこに参加です。
「野鳩の雛が左の松の枝に居るよ」と、
朝方、ばぁちゃんが教えてくれます。
もう、今日は巣立つのでしょうか?
「あれー、雛が見えない!」と、昼頃ばぁちゃんが言います。
飛んで行ったのでしょうか?
「あっ!居た、居た」と、ばぁちゃんが大きな声をだします。
また本の松に戻って、お尻をこちらに向けて、
親鳩が見守る隣りの家の屋根を見ています。
しかし野鳩の雛は、親を呼んで鳴いたりしません。
何時も静かに静かに待ってます。
「全然、見えないね」と、
夕方に、ばぁちゃんは窓から首を出して、
二本の松ノ木を眺め透かして言ってます。
「あー、とうとう巣立ったのかな」
9月8日の空にとんでいったのでしょうか?
もう直ぐ秋本番です。
暖かな小春日和の日に我が家の庭に帰って
療養中のばぁちゃんと日向ぼっこをしておくれ。