「あっ!鳩に水がかかる」と、
隣りのばぁちゃんが窓から覗いて言ってます。
パタパタパタ、水のかかった鳩は驚いて
我が家の貝塚の木から飛び立ちます。
ばぁちゃんの庭の松ノ木の巣から巣立った
野鳩の雛は我が家の貝塚の木に来ています。
見えない僕は、夕方の水遣りで、
鳩の雛に水を掛けて仕舞います。
わっと驚いて逃げた野鳩の雛の羽ばたきは、
パタパタパタと頼りなげに響いて、
ちょっとだけ飛んで行きます。
「いつも一緒だね!」と、ばぁちゃんは言います。
二羽で生まれて育った野鳩の雛はいつもくっついてます。
二羽で丸まって寄り添ってます。
見えない僕は、そんな姿を想像するだけですが、
どんなに可愛いく、愛しい物でしょうね。