美味しいご飯ー6

 田植えが終わった 田圃は 澄み切った水田は 空を映して 整然と並んだ 苗を守る科のように 優しく 輝いて 広がっています。 せとうちの  このあたりでは 梅雨の雨が途切れない 6月末までには どの 家でも 田植えは終わらせます。  終わり切っていない お宅があれば 隣近所で 助け合って 終わらせます。
 そして 7月1日は 半夏はんげと称して 半夏の禿団子 蒸し饅頭を作って 疲れを取るため みなさん お休みです。  おばちゃんたちは 手伝いの お駄賃をいただき みんなでそろって 町に出かけます。
まあ その頃ですから 大したものを買ってはこないのですが・・・ 端切れやさんで いい柄を見つけたとか うどん屋さんで 狐寿司などおごって  ニコニコ顔で帰ってきます。 良い 田休み 疲れも取れたでしょう。
 しかし 稲を植え付けたら それで終わりということにはなりません。 雨の降らない としもあり。 一晩中 水の見張りをしたり 争って 鍬を振り上げる騒動もあったエリします。  
  そんな時には ため池で 藁を持ち寄り燃やしながら雨ごいをします。
 神主さんの祝詞に合わせ 展に祈ります。 藁から立ち上る黒い煙が 竜神のごとくに見え お百姓さんは こことと ばかりに 祈りに力を込めます。 すると 願いが天に通じるのか そらにくら雲が広がり ぽつり ぽつりと 雨粒が・・・