美味しいご飯ー7

田植え機で 丸く植えただけで この頃は そのまま 稲を育てますが・・・  そのころは 丁寧に畔まできっちり植え付け  そのうえ  畔のてっぺんには 枝豆の種をまきます。
 サトイモや葉煙草を植え付けていた田圃からは収穫し 残しておいた 苗で 稲を植え付けます。  水の便の悪い 田圃には サツマイモにジャガイモ 西瓜にカボチャ トマトやナス きゅうりと 夏野菜を植えつけます。  お百姓さんは 手持ちの土地を 一寸たりと無駄にしません。 おいしいご飯の  おかずも 同時にしっかり育てます。
 父は いつも言っていました。 土地だけはてばなすなよ! 土地さえあれば どうにか生きていけるのだ!というようなことを 遺言のように 言い聞かされます。     だが 視力をなくしていく中で 切り売りしつつ 今の生活に充てることになってしまいます。 姉の相続分も 誰も 農業には携わることもないし 未練もなく 手放してしまいます。
 あの世で 父は悲しんでいるでしょうか? それとも 時代だと あきらめてくれているでしょうか?
 そんなことで 美味しいご飯からは見放されてます。