美味しいご飯ー10

 送だ 稲作の大敵は台風ばかりでなく 害虫の異常発生にも悩まされました。 当時 強烈な 害虫駆除に掘りドールが用いられていました。 真夏の炎天下の 強力な薬品の散布です。 まだまだ働き盛りの  本家の小父が 一夜の苦しみで 亡くなる 悲しい 出来事もありました。
それでも 台風にも害虫にも 運よくすり抜けて 10月を迎えますと 実をつけた稲が 色好き始めます。 10月10日は 豊作を祈願するいや 方策を祝う 鎮守の神様の 秋の例大祭が 執り行われます。 黄金色に 実った稲が 大海の波のように 秋風に揺れる その中を 金糸銀糸の糸で織られた 豪華な膜で飾り立てた太鼓台や 神輿が ドンドコドンドコ 村の中を練り歩きます。  そんな様子を見た 昔の異国の人は 何と日本は 黄金にあふれた国だろうと 驚かせた事です。
 そんな祭りが終わると 稲刈りの始まりです。 老にゅく男女 村じゅうの者が 全員 でそろっての 作業です。 わが家のように 人手が少ない家では 親戚から 助っ人を頼みます。 機械化されていない頃は 田植えに次ぐ人海センジツです。
 そして 刈り取った稲は 田圃に 杭を立て横木を私 稲束を 引っかけ 太陽に十分当てて 乾燥させます。