美味しいご飯ー11

 今日の 早朝散歩で 田植えの準備をしている 田圃に出会います。 ケロケロと アマガエルが 群がって泣いているはずなのに ぜんぜん 聞こえません。  未だ たうえを 控えている 田圃からは 低温の ガマガエルの 声が 三匹ほどは聞こえます。
 子供のころには 小川だろうと 排水路だろうと あぜ道の草の間だろうと アマガエルが 雨降れ雨降れと ケロケロ の合唱が聞こえていたのに・・・  この頃は アマガエルは居ません。
思えばいなくなった 生き物が 彼是と 思い出します。
5月の空に 麦畑から まっすぐに 空に向かって 飛んでいたひばりもいなくなったし      其の上空で ぴーひょろろと 大きく輪を描きながら 旋回していたトンビも居ません。
 そうそう 夏に高い声でなく ミーみーぜみもいなくなったし
 稲が実った田圃のふちを彩った 彼岸花の赤い縁取りも亡くなってしまっています。
 
 こんな文章を書いていて 懐かしい風景が 走馬灯のように 現れては消えていきます。  刈り取った 稲を 乾かす 横木に 群がってきていたスズめの声も 聞こえません。