お婆ちゃんが亡くなって30年に成ります。
それからお爺ちゃんと二人暮らしになります。
僕は午後からの仕事だったので、
午前中、家に居て、洗濯は僕の役目です。
家の庭に井戸が在って、モーターポンプで
井戸水を汲み上げて使っています。
その井戸小屋に洗濯機も置いて在ります。
其の頃は二層式の洗濯機です。
洗い、脱水、漱ぎ洗い、脱水と、何度も洗濯物を
洗濯層から脱水層に入れ替えます。。
時間を見計らっては出たり入ったり、
冬など、寒いし、冷たいし、大変です。
それから寒風すさぶ庭の洗濯干し場に
干さねばなりません。
治りかけた風邪も其の度にぶり返しです。
あーあ、せめて家の中に洗濯場が在ればと、思います。
「昔はたいへんだったんだ」と、お爺ちゃんが言います。
川に持って行って下洗い、
そして、タライと洗濯板でごしごしです。
「贅沢を言っては切がない」と、言われます。
そうですね。初めて洗濯機を買った時は嬉しかったです。
其の頃は未だ脱臭層が付いて無くって、
ローラーの間を洗濯物を潜らせて絞ります。
そのちょっとしたシステムが子供心を刺激です。
争ってローラーを回させてもらいます。
それが思いの他、脱水出来て、楽しくも有りましたね。
お婆ちゃんはタバコ屋さんをしてました。
亡くなって6年ぐらいは、
お爺ちゃんと僕でタバコ屋を続けてます。
朝、洗濯物を干してると、
近所のタバコを買いに来た小父さん、オバサンが、
小春日和の庭で、しばし無駄話などしていきます。
洗濯物も秋空にたなびいて
今思うと、それものどかな田舎の風景でしたね。