眠れない夜に!

六月に成った此の頃は、
掛け布団が重く感じられたり、
暑苦しく成ったりする夜も有ります。
ちょっと眠りにくかったりしますし、
そうかと思うと夜半過ぎ寒さで目覚めたりします。

目が冴えてしまうと、
テレビを点けてみたりします。
でも、見るほどの物はやってません。
トレ君に話しかけます。
トレ君は「ブヒィ!」と、めんどくさそうに、
鼻を鳴らして返事です。
彼是話してると、無視します。
「トレ君、話し相手にぐらい成りなさい!」って、
言いますと、「ふーっ!」と、大きな溜息です。
そして「もう、うるさいね!」と、部屋から出て行きます。
ぷりぷりぷり、がちがちがちと、足音高く出て行きます。

起こっている感じ、
どさっ!と、音を発てて、
あっちで横たわっています。
あーぁ!一人取り残されます。

窓辺に小鳥の声が聞こえて、
薄っすらと空が白む頃です。
カチカチカチと、トレ君は
軽い爪音を発てて帰って来ます。
未だ起きないの!と、冷たい鼻先を
布団に突っ込んできます。
今度は僕が無視です。
トレ君は鼻をクンクンさせて、
僕が生きているのか確かめるようにしています。
僕は息を殺して無視をつづけます。
「そっちが其の気なら、俺にも考えが有るぞ」って、
トレ君はガチガチガチと、また強い爪音を発てて、
部屋を出て行ってしまいます。
眠りづらかった夜の攻防戦、
これから、熱帯夜に向けて増えるでしょう。