我が家でも殺処分!

ずーっと古い事ですが、
我が家にも乳牛を3頭飼っておりました。

ある日、其のうちの一頭が病気に成ってしまいます。
息苦しそうなハーハーと言う大きな息遣いが
牛舎から母屋の方にも聞こえます。
モーモーと、辛そうな鳴き声も聞こえます。
獣医さんも呼ばれます。
酪農組合の人も来ます。
いろいろ治療に手を尽くされているようです。
それでも乳牛の鳴き声は止みません。
牛舎から母屋へ、そして辺り一面に響きます。
だんだん呻きに近い声に成ってます。

「見てられない!」と、重い顔の父が母屋に入ってきます。
そのまま、うな垂れて座り込みます。
そして、其の時、牛舎では、
回復出来ない病気の乳牛は安楽死させたのでしょうか?
牛舎はすっかり静かに成ります。

幼かった頃の事なので、
細かい事の成り行きは思い出せませんが、
悲愴な乳牛の鳴き声と、父の落胆しきった様子は。
今も鮮明に思い出します。
そして、宮崎の酪農家の方々の気持ちが
いかばかりかと思いやられます。