闇の恐怖から脱出した夢

八年前、此の海に見てから
よく夢を見ます。
風が吹き渡り、草木がそよぎ、波しぶきが飛び
明るく爽やかな夢です。
夢の中では視力障害も無く、
夜盲の闇の恐怖からも解放されています。
暗いおどおどしい松林を通り抜け、
光に満ちた海岸で僕にもたらされた、
純化された僕の夢です。

何事も夢と現実は違います。
朝日が昇ると海の様子が見えてきます。
激しい波音に反して、沖は湖面ように静かです。
この心を突き上げるような音は何処から起こるのでしょう?
渚を歩くシーンなども撮影して、僕のカットは終わりです。

うす曇の海辺の朝六時は涼しいです。
カメラさんがバッグを砂浜に敷いてくれます。
ではと、腰を下ろし、
用意して来たフードをトレ君に上げます。
トレ君と朝ピクニックです。
カメラさんたちはいろいろショットの撮影です。
海亀の産卵を監視している小父さんが通ります。
此の海岸は四キロ続くのだそうです。
そして海亀が産卵に上がってきます。
往復で毎日八キロ。わーっ!砂浜は歩き辛いし、
夏は暑いし、ご苦労です。