思いを残す海岸

11‐ロケの旅 思いを残して・・
此のロケの旅に出るきっかけに成った
宿毛の小川さんとは不思議なご縁で、
会った事もない。見ず知らずの僕に
電話をくれて、いろいろ教えてもらいます。
福祉機器の事、障害年金の事、音声携帯電話や
交通機関のサポートの事、そして
JRPS=日本網膜変性症協会の事、
今、便利に生活出来ている全ての事を
八年前に教えてもらっています。

四国半周の旅の途中、
僕の白杖が折れてしまいます。
偶然、小川さん宅の近くを通り掛かります。
電話しますと、「ちょっと寄っていけば」と、言われます。
白杖が折れた事を話します。
「之持っていきなさい」と、
木のクラシックな感じの白杖を頂きます。
スーツを着た時でも、ステッキの様で
とても気に入り、愛用していたのです。
此の冬に折れてしまいます。
其の時、ちょっと不吉なものを感じます。

今回、黒潮町 入野海岸の話を書くときも、
資料が欲しかったので電話しますが、通じません。
ロケも終わり、放映も決まります。
是非見て欲しいと思ったので電話します。
何度かけても電話は通じません。
もう、その番号は使われなくなっています。

とても心配です。
高知の水田さんに調べてもらいます。
水田さんも、高知支部設立をお知らせしたいと、
小川さんは病気に成る前、
支部設立にかなり尽力されていたそうです。
何度電話しても通じず、同じく心配していました。
水田さんは八方手を尽くして調べてくれます。
やはり残念ながら亡くなってられました。
小川さんありがとう!高知支部は羽ばたきましたよ。
天国で見守っていてください、そして安らかに、合掌

そして、もうひとり、此の海岸を案内してくれた
友人も、先年亡くなります。
朝のロケの時、友人の家の前を通ります。
お母さんの看病の為に建てた家です。
電灯も灯ることなく、薄暗がりにひっそりと在ります。
夕方、友達の妹さんが会いに着てくれます。
「兄が生きていれば、どんなに喜んだでしょうに」と、
トレ君の頭を撫でながら、涙をこぼされます。
人生のはかなさを感じる旅にもなりました。
「日本巡礼 ひかりの渚よもう一度」が、
おふたりの供養になればと思うのです。
此の海岸は忘れられがたく、深く思いを残します。