アルプスの宝石

12‐魚には醤油!
光が感じる位の視力のSさんは添乗員さんの
腕に掴まって歩き、
僕はSさんの背中を持って付いて行きます。
Sさんは触って理解出来る物を探します。
教会の壁は触れますが、全体の形態は難しいです。
「鐘楼は何メートル位?」か「色は?」と、聞きます。
二十メートル位かな。三十メートルか??
壁の色はベージュで屋根瓦はレンガ色です。
僕のアムステルダムの真っ暗な夜の観光です。
ガイドさんの説明だけでは、暗闇観光は
何のイメージも浮かんでこなかったです。
果たしてSさんはイメージを抱けているでしょうか?
僕は明るい昼間、単純でコントラストの有る建物のは
何となく分かります。
それで分かる範囲で背中に絵を描いてみたりします。

バスに戻って、大きな木の茂る坂道を上ります。
ブレッド湖からそそり立つ中世の古城に向かいます。
アルプスの宝石、ブレッド城です。
アーチ型の門をくぐり、坂を登って行きます。
Sさんも寒さに備えて厚手のコートを着ています。
持ち様が無く坂道で手が滑って、離れてしまいます。
道がくねくねしているので必死で掴まります。

湖面を真下に見下ろしてテラスが在ります。
晴れていれば白く雪を頂いたアルプスがみえるでしょうか?今日はガスっているので駄目ですね。
お城はアーチの門や、尖がり屋根の塔が並び、
こじんまりして絵本に出てくるお城の様、
鉛の兵隊さんは居ませんか?

城の下で昼食です。 鱒のグリルです。
わっ!大きな鱒が一匹出ています。
ブレッド湖で捕れたのかな?
「お箸が無いの」と、誰かが言ってます。
焼きが甘く、ちょっと生臭い感じです。
お醤油を掛けて食べたいです。あっ!醤油です。
何処からか醤油が回ってきます。
やっぱり魚には醤油ですね。