16個の湖に・・

17‐神々の庭園
「雨が降らないで良かったぁ」と、添乗員さんが、
心の底からほっとした様に言います。
雨など降ったら、こんな道、歩けません。
僕は必死でSさんにくっついて行きます。
摺り足で真後ろを歩いていきます。
滝の音が複雑に激しく成ってきます。
気が着かない間にだいぶ谷底に近づいています。
小さな湖が、満々と湛えた水に
白い空を映して在ります。
澄んだ水にお魚が泳いでいるそうです。
魚影は見えないけど、撥ねた魚が居たような?

滝壺到着です。一生懸命歩いたので、体はほかほか
滝の飛沫が火照った顔に当たって気持ちが
良いです。パチリと記念撮影です。
谷川には左右から小さな滝も流れ込んでいます。
九十二のもの滝が在るそうです。
果たして其の水何処から湧き出しているのですか?
僕には空から湧き出しているようにしか見えません。

右手から降りてきた僕らは、左手のなだらかな道を、
十六の湖を巡るように帰って行きます。
天空から階段状に連なった湖は、
澄み切った湖面に、木々を写し、刻々と変化する空を
映し、それぞれの色調で輝いています。
上の湖から溢れた水は様々な表情の滝になって、
下の湖にと、際限なく送られています。
地球が豊かだった頃、人間の住み始めた頃は
世界の山や川はこんな感じだったでしょうか?
湖面を神々が渡って行く、神々の庭園です。

向こうの大きな湖を船で今夜のホテルに向かう予定
でしたが船の具合が悪いからと
公園のバスになります。
バスはもうちょっと登った所からでます。
そろそろ日暮れです。西の方だけを白く残して、
空は夕暮れ色に染まっています。
眼下に連なる湖水は神秘的な最後の反射を残して
激しい滝の音さえも全て闇に沈もうとしています。